「世界文化遺産」地域連携会議 設立趣意書                  
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 参考資料:

 
今日からの議論のために − 当面の活動方向、中長期のあるべき活動に関するアンケート結果、およびアイデア集(2011.6.7)


  1 会としてどんな活動をしていくべきか

― 自治体アンケートより(回収8地区12市町村)

 

大いに関心

関心あり

どちらとも言えない

関心なし

国等への共同の要望・提案活動

 

5地区

E市町村

5地区

D市町村

1地区

@市町村

条約批准20年、登録○年など記念事業の推進

4地区

C市町村

1地区

B市町村

4地区

C市町村

世界遺産を活かした地域づくり情報などの交換

5地区

D市町村

5地区

D市町村

1地区

@市町村

 

各地域間での市民交流などの推進

2地区

A市町村

4地区

C市町村

3地区

B市町村

1地区

@市町村

観光客などのマナーアップに関する共同の呼びかけ

1地区

@市町村

6地区

F市町村

2地区

A市町村

複数地域による連携事業や共同事業の推進

2地区

A市町村

3地区

D市町村

4地区

C市町村

首都圏マスメディアなどへの共同訪問

2地区

A市町村

3地区

D市町村

3地区

B市町村

1地区

@市町村

首都圏からの観光客誘致

4地区

D市町村

4地区

E市町村

 

関西圏などからの観光客誘致

3地区

C市町村

5地区

E市町村

 

世界文化遺産を活用したイベント等の推進

2地区

A市町村

4地区

D市町村

4地区

C市町村

東アジアからの観光客誘致

4地区

D市町村

3地区

B市町村

2地区

A市町村

1地区

@市町村

欧米からの観光客誘致

4地区

C市町村

2地区

C市町村

2地区

A市町村

 

 関連コメント ・観光キャンペーンをするにあたり、各市町村内でもそれにちなんだイベント等があれば面白いとは思います(奈良なら秘仏開帳を行うなど)(奈良市)。

・世界遺産は大切な宝物であるため、利用ばかりを優先するのではなく、適切な保全を行いながら次世代に引き継がれていく事を考えねばならない(天川村)。


 

 2 推進すべき活動の分類

  (1)「世界文化遺産関係者(文化財・地域づくり・観光など)共通のプラットホームづくり」を目指す。発足から3年間(特に初年度)は「走りながら考える」期間として位置づけ、議論や知恵出しに重点をおく。

 (2)活動の分類 

@活動分野は「交流と意見・ノウハウ・アイデアなどの交換」「共同事業・共同行動の実施」と「情報発信・観光事業」。

A実施時期は「当面の事業」「中期的に実施可能性があるもの」「長期展望(将来の夢)」に分かれる。 

B個別事業への地域参加については、全地区の参加が前提の事業(○)と11地区中の有志で実施可能な事業(△)に分ける。

 C費用面から各活動を
   A:費用ゼロで推進できるもの

  B:少額の費用で推進可能なもの(調査研究・ツアー等からの収益金の活用など)
  C:参加者負担を原則に実施するもの
  D:各地域の負担(任意)、スポンサー獲得(国ふくむ)により実施するもの
  E:関係地域・団体等により実施されるもの(会の関与は原則調整面のみ)  に分ける。

 

3 ここまでに出ている活動アイデア


 活動分野1:交流と意見・ノウハウ・アイデアなどの交換

(1)当面想定できる活動例

@地域間の情報・ノウハウの交換:A(△)→実施中

  各地域はそれぞれに大きな課題を有しているが、全体や複数地域に共通する事柄は少なくない。また同時に、各地域はそれぞれに他地域でも応用可能と思われる事業をすでに実施している。民間メンバーにも進んだ情報やノウハウ、事業アイデアをお持ちの方が少なくない。

  これらの情報を有効に交流させていくだけでも、会の発足には十分な価値が見出せる。

 

<資料1>世界文化遺産に関連し、各地域が抱えている問題

(アンケート結果+10年6月に実施された府県からの要望より:※印)

姫路城

・@世界遺産プロパティ(=特別史跡指定地)における文化財保護法に基づく現状変更の禁止と私人の生活や経済活動とのバランスをどう取るか。A姫路駅再開発とバッファーゾーンの歴史的景観誘導のバランスをいかに取るか。B保存管理の体制について、統一的にコントロールする所管がない(姫路市)。

・09年から5年計画で大規模改修に入っています。工事現場をエレベーターで見学して伝統的技法を見ていただくなど、見学者の維持に取り組んでいます。また、姫路城の周辺地域には特別史跡が108ヘクタールあり、城を活用した景観誘導を進めようとしています。世界遺産にふさわしい文化財の新たな活用方法について、モデルケースとなるような新たな手法が必要です(※:兵庫県)。

・世界遺産のうち核心部は文化財の予算でその補助率は50−65%、バッファーゾーンの景観形成地区はまちづくりの予算などで概ね4割が交付税で支給、というように分かれた形になっており、その予算規模、補助率がそれぞれ異なっているのが現状である。世界遺産支援事業のように一本化した支援メニューの検討をお願いしたい(※:兵庫県)。

 古都京都の文化財


京都市内には,平成6年に世界遺産に登録された「古都京都の文化財」以外にも,これらに匹敵する
価値を有する文化遺産が多数存在するため,その追加登録が課題となっている。※ 文化庁サイドからは,「明確な規定はないが,世界遺産は登録時点でパーフェクトな資産であることが前提であるため,追加登録は1回のみが原則であり,また,既存の資産に対して追加資産があまりに多いと,追加登録とは言えない」と言われているため,本市内に多数存在する追加資産候補,特に複数の社寺から登録の要望がある中,追加候補をいかに絞り込むか,何をコンセプトに候補を決定するのかが課題となっている(京都市)

・世界遺産周辺の防災力の向上(平等院周辺は木造家屋が多く、南海・当南海沖地震による同時多発的火災からの延焼危険性が高いことから、文化財周辺地域を含めた防災力の向上が望まれます(宇治市)

・17の寺社とお城が登録され、うち16が京都府、さらにそのうち14件が京都市内にあり、その全てが著名なお寺です。それぞれに国宝の建造物、特別名勝の庭園など多くの文化財を所有し、恒常的に修理、維持管理について国の支援を得ています(※:京都府)。

・近年、きょうと市内の寺社からつ追加登録して欲しいという要望が上がっており、京都市では07年度から資産の追加可能性を探るための調査を始めています(※:京都府)。

白川郷・五箇山の合掌造り集落

・茅葺屋根の材料となるコガヤ不足(南砺市)

・後継者不足(南砺市)

・重要伝統的建造物群保存地区の建物については国庫補助がついていますが、地区外に存在する合掌家屋等については白川村が保存を行っており、国の支援はありません(※:岐阜県)。

・東海北陸自動車道が全通し、観光車両が押し寄せています。こうした観光客に対応するインフラ整備や、世界遺産に対するビジターセンターなどの建設についても支援等をいただければと思っています(※:岐阜県)。

・国庫補助として茅葺き屋根の吹き替えを文化庁の補助を得、継続的に行っています。県では国庫補助事業に該当しない景観修繕などの小修繕をしています。国には補助事業の継続・拡充を図っていただきたい。また、建物や土地などの指定文化財への補助はありますが、エリア全体の茅場の整備などにはないので、そういったものへの補助についてもメニュー化してもらいたい(※:富山県)。

原爆ドーム

・通常の建築物とは異なり、破壊された建物で耐震性の明らかでない原爆ドームについては、耐震性の確保が課題となっている(広島市)

厳島神社

・世界に類のない海中に建つ社殿建築であり、建造物群の保存修正に相当額の事業費負担が生じています。国庫補助の加算措置などの支援をお願いします。併せて、厳島神社の背後に位置する弥山展望台が著しく老朽化しており、観光客等の安全性と快適性の向上を図るため、国立公園整備の一環で早急な対応をお願いします(※:広島県)。

 古都奈良の文化財

・世界遺産の近くには「ならまち」と呼ばれる歴史的景観を残す町並みがありますが、世界遺産だけでなく、その周辺の町並みも含めた景観が古都奈良を代表する風景となっています。現状では市も町家の保存活動を進めてはいますが、やはり住民にとっても改修費等の問題もあり、プレハブ住宅・駐車場化が進み、古都奈良の風情は失われていっています。これからは、市民に、より積極的に学習機会の提供を行うなどして、「世界遺産のあるまち」という地域に対する誇りを持ってもらい、自然とその町並みを受け継ごうと思えるような仕組みを作っていければと考えています(奈良市)。

・奈良市の観光を考えてみると、主に観光客が訪れるエリアが三つに絞られているように感じます(奈良公園、平城宮跡、西の京)。しかし、よくよく考えてみると、そのどれもが平城京の中の一つのエリアにすぎないのですが、それが観光客にとっては三つのバラバラのエリアに感じられていないかと少し気がかりです。(奈良好きの方々は平城京という全体図を思い起こされながら観光しておられるとは思うのですが、奈良に初めて来られる方・外国人観光客にはどう思われているのかと常日頃感じます)(おそらくその三つのエリアだけを観光されるので、日帰り観光が多くなるのでしょうが…)(奈良市)

 日光の社寺

・@史跡内における整備事業を円滑に進めるために、史跡の整備・活用計画の策定が急務であること。A世界遺産ガイダンス施設の設置。B保護のための法令が多岐にわたり、関係省庁との連絡調整が困難なこと。C観光シーズンにおける渋滞対策(日光市)。

・二荒山神社、東照宮、輪王山が指定を受け、国宝9棟、重要文化財94棟、境内と周りの自然環境を合わせて424ヘクタールが登録されています。大規模な施設で、その保存と修理にはかなり多額の費用がかかります。当事者の社寺が年間計画で、例えば25年に一度は改修するというサイクルでやっていますが、国から2分の1補助を受けているため、予算規模で絶対額が変わります。少なくなれば30年に一度にならざるを得ず、十分な予算の確保をお願いします(※:栃木県)。

琉球王朝のグスク及び関連遺産群

・集客方法及び休憩施設の整備(中城村)

・中城城跡の観光活用やそれに伴う整備(北中城村)

・バッファーゾーンの保全、文化財修理における財政支援、修理技術の伝承支援(今帰仁村)

・登録から10年が経過し、この間、観光客は2倍以上に増加しました。9つの遺産群ですが、既に整備が完了している所と、まだ整備途中の所があり、文化庁から10分の8の補助をいただき、保存修理を続けています。

国に要望したいのは、コア以外の緩衝地帯での便益施設などへの補助制度の創設です。トイレやグスクの石垣を遠目から見るためのビューポイントのような場所があればと思います。また、コア内のバリアフリー化の問題が、現在の補助の中でできるのかということがあります(※:沖縄県)。

 紀伊山地の霊場と参詣道

・霊場「大峰」「大峰奥駈道」コアおよびバッファーゾーンにおいて「鹿の食害」により環境破壊が著しい。永々と山岳宗教を育んだ森林景観が消失していき、地域の生物多様性が衰退している。後世にこの遺産を引き継いでいけなくなると不安を感じている(天川村)

・世界遺産の活用に取り組む3県の広域連携のシンボルとして「吉野・高野・熊野の国」を建国し、観光情報の発信やイベント開催などに幅広く取り組んでいます(※:奈良県)。

・熊野古道の中でも本質を有しているのがコアゾーンで、世界遺産として厳格に保護され、土地の買上げや修理整備に国庫補助が設けられています。しかし、補助の対象は200万円以上の事業です。

古道の修繕としては石畳の破損や土砂の崩落、倒木などの小規模な破損が多いため、200万円以下の事業がほとんどです。対象事業の200万円以下への引き下げをお願いします。また、古道の両側約50メートルをバッファーゾーンとしており、関係市町の景観条例などで保護されていますが、国庫補助の対象にはなっていません。コアゾーンと同等の制度の創設をお願いします(※:三重県)

・約900ある世界遺産のうちスペインのサンティアゴ巡礼道とともに2つしかない「道の世界遺産」です。その国際的な価値や魅力を知ってもらうため、日本の在外公館を活用した情報発信をお願いしたい(※三重県)

・和歌山県では世界遺産について、歴史・文化・伝承という目に見えない付加価値が有形の資産と結びついて価値を放つと考えています。これらを県民や来訪者にどう伝えるか。難しい課題と思いながら、語り部の育成やセミナーなどを行っています。保全と活用のバランスをいかにとっていくのかということが、世界遺産では非常に難しい。その両面に、各省庁それぞれの事業の中で支援をいただいていますが、それらをうまくパッケージにし、世界遺産という横串で刺した支援策ができればと願っています(※:和歌山県)。

 石見銀山遺跡とその歴史的景観

・戦国時代から江戸時代初期にかけ、世界の銀の3割を算出していたという大規模な鉱山活動がされていた所です。龍源寺間歩という発掘トンネルの跡があり、世界遺産登録前は約3万人程度だった観光客が、登録後は約30万人と10倍に増えました。発掘調査や周辺整備事業などを継続していかなければいけない世界遺産であり、調査・保存・活用・周辺整備などについてはこれからですので、国の財政支援をいただきたい。また、銀山遺跡としてはアジアで初めてであり、その価値を明らかにするためにも、外国の鉱山遺跡の状況を調査し、日本の鉱山遺跡との比較研究をしていただきたいと思います(※;島根県)。

  <資料2:各地の既存事業例>(同)

姫路城

・姫路城大天守閣保存修理事業(09−13年:28億円)
・姫路城(大天守閣を除く)保存修理事業(−25年:11億円)
・石垣保存修理事業(10−14年:1億3千万円)
・ひめじ城下町再生プランの策定
・「姫路まつり屋台」等のイベント創設
・「THEラストサムライ」等の映画ロケ誘致
・平成22年度観光キャンペーン(東京・福岡・大阪・名古屋)、セミナー(東京・福岡)

法隆寺地域の仏教建造物

・法隆寺iセンター(町内案内書+広域案内書+展示施設)
・歴史を巡る遊歩道の整備
・藤の木古墳展示施設等の整備

古都京都の文化財

・建築物の高さ制限などの厳格化
・「京都・花灯路」等の新規イベント
・「京の冬の旅」「源氏物語千年紀」(10年)等のキャンペーン
・国宝延暦寺根本中堂等延暦寺境内建造物防災施設事業(10年:1400万円、国700万円、滋賀県140万円、大津市140万円、延暦寺420万円)

白川郷・五箇山の合掌造り集落

・重要伝統的建造物群保存地区包括的保存管理計画の策定
・重要伝統的建造物群保存地区保存修景事業(5210万円:うち国庫補助65%)
・岐阜県世界文化遺産白川郷合掌集落整備事業費補助金(200万円)
・岐阜県白川村合掌造り建物保護事業補助金(県補助91万円)
・世界文化遺産五箇山の合掌造り集落に対する文化財保存修景事業(7121万円;うち文化庁4787万円)
・世界文化遺産五箇山の合掌造り集落に対する文化財保存修理事業(500万円)
・同、登録15周年記念事業(200万円)
・富山県内他市と合同で韓国での観光PRを実施
・観光協会により旅行エージェントの説明会の実施

原爆ドーム

・海外への観光PRとして、旅行エージェント等視察者、教育旅行関係へのPR活動、現地訪問によるPR活動・在外公館、旅行会社やイベントブースへの観光パンフレット、ポスター、DVDなどを活用した情報発信。都庁や東京タワーなどでイベント催し、PR活動。お好み焼店に協力してもらい店で観光PRをしてもらっている。
・「瀬戸内海の道1兆円構想」の推進
・健全度調査を概ね3年ごとに実施(10年:耐震検討対策793万円)

厳島神社

・厳島神社保存修理(10年:1432万円)
・京都、広島と連携した米国キャンペーン

古都奈良の文化財

・平城遷都1300年事業(10年)
・東京観光オフィス…誘客活動に関して知識と経験のある人材を配置し、教育関係機関や旅行会社、各種団体本部などに直接出向き、修学旅行、外国人観光客、学会等の全国会議などの誘致活動及び情報収集を行っている。
・観光協会がキャンペーンを実施(東京、横浜)←市は補助金等のサポート
・11年度に中国成都と西安で奈良市長によるトップセールスを計画中
・11年度に西安世界園芸博覧会に奈良県との共同出展を計画中
・10年に世界歴史都市会議を開催し、市の魅力を世界へ発信した

日光の社寺

・鉄道事業社と連携し、首都圏で誘客キャンペーンを行っている。
・市内の観光協会と連携し、首都圏で誘客キャンペーンを行っている。
・海外は東アジアへの誘客に力を入れており、平成21年1月に台南市(台湾)と、平成21年11月に慶州市(韓国)と「観光友好都市協定」を締結した。協定の内容は、相互の観光客往来を増進するため観光関連事業の交流と協力の推進、相互の市民の観光関連事業への参加促進のための交流機会拡大への情報提供など、観光友好交流に係わるものである。
・国内では北海道倶知安町と平成22年8月に「観光パートナー都市協定」を締結した。協定の内容は、お互いの市町、首都圏などその他地域で実施するプロモーション活動の共同宣伝などである。
・2社1寺の建物保存事業(二荒山神社6000万円、東照宮3億340万円、輪王寺1億4000万円:09年)
・同、防災施設管理に係わる補助(550万円:事業社50%、国25%、県25%)
・杉並木の保全、日光門前町の整備

琉球王国のグスク及び関連遺跡群

・中城城保存修理事業(3500万円、80%国庫補助)
・勝連寺城保存修理事業(4000万円、同)

 

・県、市村による負担金による事業(3100万円)

・琉球王国のグスク及び関連遺跡群、世界遺産登録10周年記念事業

・各市村における語り部育成

・主要な高校等へリーフレット配布、修学旅行の誘致(今帰仁村)

・今年度からの取り組みのためノウハウから学んでいく(中城村)

紀伊山地の霊場と参詣道

・「吉野・高野・熊野の国」の建国(1500万円:3県)

・パリ、ローマ、ミラノでの海外プロモーション、JAL・ミシュランタイアップによる情報発信、高野・熊野夢舞台コンサート、JRとの連携によるキャンペーン、1万人の参詣道環境保全活動など(和歌山県)

・セミナー世界遺産(三重県)

石見銀山遺跡とその歴史的景観

・総合調査研究事業(3050万円:島根県)

・遺跡整備事業(6200万円:同)

・世界遺産センター整備・管理運営事業(2250万円:同)

・石見銀山基金造成支援事業(1250万円:同)

 

Aメンバー間の意見・情報交流:A・E(△)→実施中

メンバーはそれぞれに「現場」を抱えており、年に一度とはいえ一堂に会することは容易ではない。総会時に研修会・勉強会などを併設することなどについても検討していくが、むしろ重視すべきは「日常的な情報交換」であり、当面はメーリング・リストの設置や分科会的活動の促進などに力点を置いていく必要がある。

分科会的活動の例としては地方圏別分科会、また登録資源と行政の関係では姫路・広島・沖縄などの集まりや、人口規模が小さな地域どうしの集まり、「歴史まちづくり法」などに関連する地域どうしの集まりなどがあってよい。 

官民連携の分野の交流促進では、地域と専門家やメディアの関係を深化させていくこと、あるいは「地域別分科会」(例:沖縄、紀伊半島)などが考えられる。 

また民間どうしでも商工会議所や青年会議所どうし、地域NPOどうし、「U40」(若い世代どうし)、博物館や学芸員どうし、語り部組織どうし(例:紀伊半島)による交流や勉強会・研究会づくりなどが考えられる。

同業種のメンバーによる連携事業(例:各地方紙の連携事業、世界遺産ちょっといい宿ネットワーク、近鉄と東武による相互PR)が推進されていくことももちろん望ましい。

これらの部分が充実し数々の事業が形になっていくことは、会としての独自事業の推進や予算規模の充実に匹敵するほどの価値を持つことになっていくはずである。

 

B調査研究:D(△)→実施中

世界文化遺産の保全・活用、それらを活用したまちづくりや観光振興、地域連携といったことが主なテーマとなり、全地域を対象としたもの以外に、地方圏ベース、各地ベースのものなどが考えられる。

メンバーが力を合わせれば、イタリアの世界遺産特別法のようなものをどう日本で実現していくか等の専門的事柄や地域計画はもちろん、地域資源をどう効果的組み合わせPRをおこなっていくかといった、柔らかい内容のものまでをカバーしていくことが十分可能だろう。

例:12地区の祭・イベントの組み合わせイメージ(日本の四季と伝統)

合掌集落ライトアップ(1月・白川)→宮島かき祭(2月・廿日市)→お水取り(3月・奈良)

→吉野の桜(4月・紀伊山地)→春の藤原祭(5月・平泉)→法隆寺夏安居(6月・げあんご:斑鳩町)

→祇園祭(7月・京都)→原爆記念日(8月・広島)→エイサー(9月・沖縄)

→けんか祭(10月・姫路)→秋の例大祭(11月・大田)→日光(12月・初詣参道提灯飾り)

 

(2)中期的に実現可能性がある活動例 

@自治体間の友好(観光・文化交流)協定締結:E(△)


 A自治体関係者研修:C・D・E・(△)

自治体間の依頼・受け入れにより実施する場合以外に、会が短期のものを主催していくことなどが考えられる。自治体職員以外のものとして、語り部研修、起業希望者などを対象にしたDMC(着地型旅行事業体)研修など。


 B世界文化遺産地域相互訪問ツアー:C(△)

市民交流に関する自治体ニーズは高い方ではなかったが、もし共同で市広報等でシリーズ募集できれば、発地・受け地各11、計110種類のツアーが考えられる。

ある地域のモデルコースづくりのために、他地域が募集協力をおこなうことなども考えられる。

 

活動分野2:共同事業・共同行動の実施


 (1)当面想定できる活動例


 @会としての理想・長期展望(将来の夢)の共有化:A(○)→実施中

 今後、議論していくべきことだが、当面考えられるのは以下の3項目である。 

●各省庁一本化による協働体制の確立(例:世界遺産特別法、世界遺産特区などの推進)

●「人類の普遍的価値」に重点を置いた地域づくり、「継続可能な観光」の確立

●「観光立国」の大きな一翼を担い、日本復興に貢献する

 

A要望活動:A(○)→実施検討中

来年度予算の動向などをはかりながら、時機を見て関係省庁や世界遺産議連、各地域選出議員などへの訪問を少なくとも1回は行う必要があると思われる。

頻度(毎年恒例の作業とするか、主要大臣等の交代時ごとにおこなうかなど)やその方法、会としての重点の置き具合などについてはそこからの議論。

@の3項目の内容に11地区からの個別要望などを交えた内容を検討する。 

なお、要望活動に関し、に記載したこと以外に各地域から出ている要望事項等は

以下のような内容である(自治体アンケートによる)

会としての要望へのコメント

世界遺産登録への前提となる,国内の暫定リストへの具体的な登録方法が現在,明確になってない状況にあるので,示してほしい(京都市)

・歴史まちづくり法の活用に際して、歴史的環境形成総合支援事業の制度拡充(現在、同制度は事業仕分けにより新規事業の採択が抑制されている)(宇治市)。

・会として、国内外を問わず、日本の世界文化遺産巡りを促すような統一的な観光キャンペーンを展開し、それに対して補助金等のなんらかの支援を要望したい(奈良市)

・個々の文化財保護には文化庁を通じて支援等はいただいてはいるのですが、観光的な面から考えると、世界遺産を有している奈良のまちの魅力はあまり発信できていないのが現状だとは思います。そうすると、市もまちの整備やその他の魅力づくりの仕掛けを打ち出していかないといけないのですが、それには多大な費用等も掛かり、なかなか取り組みたくても取り組めていないということをまずは国に理解してもらいたいと思います(奈良市)。

・環境モニタリング等、文化財保護法では補助対象とならない事業も実施していることから、世界遺産を対象とした補助事業の創設(日光市)。

・技術支援、資金支援(今帰仁村)。

・保全状態等に対する報告の義務があるが、山岳地帯ではモニタリングの手法等が確立されていない。また、調査事業に対する費用補助等もない。市町村をまたぐ広域な遺産であるため、足並みを揃えるためにも、国や県レベルでのモニタリングの事業化を熱望する。

・世界遺産保全のたまの補助事業の創設(現在は文化財のハード的な補助事業に限られており、ソフト事業=巡視や有害獣の駆除・モニタリング調査事業等にも枠を広げて欲しい(天川村)。

地域別要望へのコメント

10年6月の内容を継続して要望する

(姫路市、宇治市、南砺市広島市、中城村、北中城村、読谷村、今帰仁村)

10年6月の内容を変更し要望する(変更内容)

奈良県の要望には本市の振興が含まれていないため、変更を要望します。もし会で、県内世界遺産地域と連携ができるなら、合同で観光客誘致等に取り組めればよいと思います(奈良市)。

・市町村レベルにおいては、喫緊の課題として遺産のモニタリング経費及び保全事業に対する補助をいただきたい(天川村)。

 

B共同の広報体制の構築:A(○・△)→実施中

  世話人を中心に、取材、問い合わせ等に対する日常的対応が可能な窓口を設置する。

また、数地区からの参画希望があれば、メディア等への共同訪問などを会として実施していくことなども考えられる。

 C東北・関東大震災への支援:D・B(△)

平泉の新規登録が正式決定した暁には是非、検討したい事業である。

東京などでシンポジウム等を開ければ理想的だが、「世界文化遺産カレンダーの作成」(12地区、条約批准20周年)、「おめでとう平泉」と称し、登録祝いのために各地の「ゆるキャラ」が銀座や京都駅に大集合するなど、大きな資金をかけなくとも何らかのことが可能かも知れない。

 

(2)中期的に実現可能性がある活動例

@記念事業(20周年など)への協力:D(△)→実施検討中

2013年に指定第1号の姫路城・法隆寺などが20周年を迎えるなど、今後、何年かに1度は各地で記念事業が開催されていく可能性が高い。会として、またメンバー地域として、これらにできるだけの協力をしていくことを申し合わせ事項としてはどうか。


  Aマナーアップキャンペーン:B(○)→実施検討中

 アンケートでの地域ニーズは高い方ではなかったが、「観光ゴミは持ち帰ろう」ステッカーを共同貼付するなど、一定の事業が展開できる可能性がある。

 

活動分野3:情報発信・観光事業


 
(1)当面の活動例


 
 
@ポスターコンテスト:B(○) 

         実費のみで同種事業を実施した場所として東京・日本橋(全国街道交流会議)、関西空港(歴史街道推進協議会)などの事例がある。全地区参加が原則。11地区のポスターをただ貼るだけでなく投票」やアンケート(+抽選で各地域の特産品プレゼント)などをおこなうことにより、一定のイベント仕立てになる。

  

A観光ファイルの相互設置:B(○)
         

11地区を代表する観光案内所に各地域のパンフレット類(外国語含む)をファイル化し、最低限の問い合わせに対応できるようにする。情報サービスの向上と回遊性の促進を目指す試み。発展型は「世界文化遺産ラック」を相互に設置していくことなど。

B多言語HP作成:B<D・E>(○)→実施中

残念ながら、わが国には「世界文化遺産」の公式ページすら存在しておらず、本来なら国(文化庁・観光庁・政府観光局)に対応をお願いしたい分野である。

観光ベ―スなら、世界遺産に限らず、東京・大阪・福岡・名古屋・神戸などの大都市の魅力や、北海道・富士山・瀬戸内海、信州などの国立国定公園など(従来他省庁が取り扱ってきたものを含めた)「国の光」を世界に知らしめ、かつ東北・関東の復旧状況につき発信していくような形のものが望まれる。

が、それが難しい場合は、何らかの方法で会として作成していかねばならない。

 

C海外への共同PR:B+D(△)

 すでに京都、広島、宮島が協働で米国ミッションを実施した経緯などがある。まずはこうした自治体のおこなうプロモーションに連携した形でPRすることが考えられる。ニーズが高い地域とそうでない地域が存在することは事実だが、資金面での余裕ができれば、会としての海外観光展などへの共同出展、A市+会での海外イベント、地域連携(例:中国+近畿)によるVJC参加などが考えられる。


D:東アジアメディア等の受け入れ:B+D(△)

 東アジアに対するニーズが高いが、各地域が競合関係にあり、またすでに相当数の地域が個別に事業実施中という面もあるため、一工夫必要である。観光庁や政府観光局と連携し、東アジアのメディアを開拓。メディアやエージェントを先方のニーズに応じて受け入れ調整する、といった方法が考えられよう。

 

(2)中期的に実現可能性がある活動例

 
 @パンフレット等の作成:B(○)→実施中

 優先順位はHPの方が高く、作成は連携組織ならではの魅力的な情報整理に加え、各地の共通の楽しみ方(例:郷土料理、宿泊、入門コース・・・)や付加価値(例:語り部、スタンプ・・・)、詳細情報(HP)がきちんと提示できるようになってからでも遅くないかも知れない。継続的増刷ができる資金を確保していくことを考えれば出版協力や、外国人向け対応としても、政府観光局海外事務所などに5−1−Aのファイル設置を依頼することなどの、代替事業も存在する。


A海外主要展示会での「JAPANブース」形成(他地域との連携含む):D(△)


 B東京・大阪などでの「世界文化遺産」シンポジウムの開催

 
 以上20事業はここまでにメンバーから出されたアイデアをまとめたものである。

従って、会として実施すべき活動、また推進可能な事業はこれらの限りではない。


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