メンバープロフィール

富井 義夫(世界遺産写真家)

1953年東京都北区に生まれる。
海外取材歴219回/125の国と地域を旅する。
世界遺産サイト537箇所撮影(2016年1月現在)

【著作】
2005年『世界遺産 珠玉の80選』(JTBパブリッシング)
2009年『Paris City of Light』(Sky Comm/フランス)
2012年『世界文化遺産 人類への讃歌』(写真工房BOOKS)
2013年『最新ヨーロッパの人気世界遺産めぐり』(山と渓谷社)
2013年『モン・サン・ミシェル巡礼』(写真工房BOOKS)など多数出版
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 世界遺産を撮るきっかけとなったのは、20年以上前にふと目にしたひとつの記事でした。
 アスワン・ハイダムの建設によってエジプトの遺跡アブ・シンベルが水没の危機に瀕したが、ユネスコを中心に前代未聞の移築工事が行われた、というような内容でした。
 記事を読んだのは、移築してからかなり時間が経っていましたが、私にとって衝撃的でした。
 このときから世界遺産への関心が深まり、知れば知るほど写真家として好奇心が刺激され、触発され、いつしか世界遺産の撮影は私のライフワークとなっていったのです。

 人類の、そして地球の宝である、世界遺産。そこには、自分の想像をはるかに超えた空間が広がっています。
 ため息を誘う美しさに満ち、言葉を失うほどの迫力に圧倒され、魅入られる神々しさに立ちすくむ。
 世界遺産を訪ねるたびに感じることは、自然界の偉大さ、人類の織りなす人間模様の面白さ、異なる文化が創り出す造形物の美しさ。
 ひと言でまとめれば、私の撮る自然遺産の写真は「自然への畏敬の念から抱く地球への賛歌」であり、文化遺産の写真は「地球上に素晴らしい文化を残し、守り、つくり続けている私たち人類への賛歌」であると考えます。
 これからもカメラ・アイを通し、世界遺産の素晴らしさを伝えるメッセンジャーとして地球を駆け巡りたい。
 そして、私自身が体験した、震えるような感動、その空気までも感じとっていただければ幸いです。

 ※ホームページにて「世界遺産×富井義夫」フォトギャラリーを掲載しています
 http://www.tomiiyoshio.com