(一社)世界文化遺産地域連携会議の活動






 2019年6月現在、日本の世界文化遺産は18です。
 外国人観光客がもたらしている経済効果は約4・4兆円と言われますが、
世界文化遺産はその人気観光地ベスト20中、半数を占めています。

 2011年、こうした世界文化遺産を持つ市町村長と100名の専門家が集まり、「世界文化遺産地域連携会議」が結成されました。

 会結成の第一の目的は相互の理解を深め、悩みやノウハウを積極的に共有することです。
 「世界遺産サミット」(左写真)や各種の研究会、各地での交流会などを開催しています。




 第二に会が目指すのは、遺産間での様々な共同事業の推進です。世界からの人気スポット中半数を占める世界文化遺産地域が(全体もしくは複数で)手を組めば、様々な活動が可能になります。
 現在は五輪イヤーに向けた「世界遺産リレー催事」などを企画中です。




 さて、言うまでもないことですが、こうした事業、あるいは日本のインバウンドの大前提となるのは、世界遺産が永続的に保全されて行くことです。
 世界遺産地域としてのそのための努力を続けつつ、国としての取り組み強化についても強く求めて行く - これが会の果たすべき三つ目の役割です。



 中でも、憂慮されているのは災害への備えです。
 ノートルダム寺院での火災は
記憶に新しい所ですが、日本でも各社寺や姫路城・原爆ドーム・軍艦島などでの地震、宮島や沖ノ島への津波、木造建造物が密集する奈良や京都における火災など、様々なリスクが容易に想定できます。
 
2018年春には現に、豪雨で沖縄・今帰仁城跡の石垣が一部崩壊しました。

 世界遺産を五百年・千年先に伝えるために、各地元が努力するのは当然です。
 しかし一方に、国として本気の世界遺産政策が不在では、永続保全への道のりは危ういものにしかなりません。



  一般社団としての発足総会(2018・8:東京・霞山会館)


国土交通省国土政策局「国土数値情報(世界文化遺産)」をもとに、(一社)世界文化遺産連携連携会議が加工しました
国土数値情報約款

World Cultural Heritage (Japan) 日本の世界文化遺産