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 「世界文化遺産」地域連携会議 H2年度総会 議事録(2015・7・14:霞が関ナレッジスクエア・スタジオ)


 

 司会:島川(お世話役)

皆様こんにちは。

それではこれから、平成25年度「世界文化遺産」地域連携会議の総会を開催させていただきたいと思います。

私は会の進行を務めさせていただきます、会のお世話役の1人、東洋大学の島川でございます。

それでは開会のご挨拶と会の進行を、会長である門川京都市長にお願いいたします。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

皆さんこんにちは。

会長を務めさせていただいている、京都市長の門川です。

今日は松浦顧問、来賓の方々はじめ、遠い所からも含めてお集りいただいた皆さん、誠に有難うございます。

 

今日はお昼から、文化庁、観光庁、そして議連の先生方との懇談をやっておりました。

会も5年目を迎えまして、世界文化遺産に関わる関係者が積極的に知恵や情報を交換し、何よりも世界遺産を守る、発信する、活用する、そして国等に対し提案もしていく。そうした動きが進んでおります。

 

また、先ごろ「明治日本の産業革命遺産」の登録が決定いたしました。本当に嬉しいことであります。すでに会へのお誘いを始めておりますが、8エリア、11市、構成資産は23ということで、この会もますますに幅を広げ強固になっていく、このように考えております。

 

一方では、会もそろそろ、よちよち歩きの時期から卒業して、しっかりとした組織として大きな役割を果たす。そうした時期が来ているようにも思います。

昨年京都で「世界遺産サミット」を開催させていただきましたが、そうした際にも例えば「文化遺産だけではなくて自然遺産にもお声がけしてはどうか」といったご提案なども伺っております。今日はそうしたことも含め、この会をどう維持・発展させていくのか、また世界遺産、世界の宝としての覚悟をもってこれを守り活かして行く。そうした点に関しても、皆さんからのご意見をいただければと思っております。

 

それではこれから議事を進めたいと思います。

準備に当たっては井戸さんはじめとする皆さんに大変なご苦労をおかけしております。高い所からですが御礼申し上げます。

議事の方はできるだけ簡潔に進め、後半の部では交流会も含めて、できるだけ多くの方々にご発言いただきたいと思っておりますので、どうぞご協力方よろしくお願いいたします。

 

まず、出席者ならびに新メンバーの紹介を井戸さんの方からお願いします。

 

 

 井戸(お世話役)

 

お世話役の一人、歴史街道推進協議会の井戸です。

 

まず本日のご出席者ですが、交流会も含め、資料2Pから4Pのようになっております。

お一方ずつご紹介すべき所ですが、時間の都合もありますので、主だった方と、ご来賓

の皆さまを中心にご紹介させて戴きたいと思います。

 

@門川会長のお隣が会の顧問、会の顧問の松浦様でございます。

次に門川会長に向かって左側が副会長の仲川・奈良市長でございます。

正面の皆様を北からご紹介いたします。まず一番右側が幹事の平泉町・青木町長、続いて岩井富岡市長、金井下仁田町長、高村裾野市長、竹腰大田(おおだ)市長でございます

 

それから前の列でございますが、ご来賓の皆さまです。

文化庁記念物課長の高橋様、観光庁観光資源課長の長崎様でございます。国土交通省、景観・歴史文化環境整備室長の出口様でございます。

 

次に資料5Pをお開き下さい。

昨年度の総会以降、新たに会にご参画いただいくことになりましたのは静岡市さん、それから「明治の産業革命遺産」からこの1週間の間に、静岡県の伊豆の国市さん、山口県の萩市さんに参加の意思表明をいただいております。

明治日本の産業革命遺産にはご覧の11が関係されておりますが、実は今日は先方の「お礼参り」の日とばっちり重なっておりまして・・・登録1週間でご返答いただけたのが、この2つ。以外には現時点で北九州市・長崎市・鹿児島市、また資料には載せられませんでしたが釜石市さんから入会検討をする旨のお返事をいただいております。

民間からはうるまのカネコさん、東大の渡辺さんに新たに会のメンバーになっていただいております。

7月10日時点でのメンバーリストをこの資料最後の16・17Pに掲載させて戴きました。

ご紹介の方は以上です。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

有難うございます。文化庁の高橋課長、観光庁の長崎課長、国交省の出口室長、今日はお忙しい中、有難うございます。

「明治の産業遺産」の皆様と今日お目にかかれなかったのは残念なんです。長崎市長さんなども「なんとかしたい」と仰っていたんですけれど・・・次回には間違いなく皆さん顔を揃えて下さるものと思います。

それでは幹事の就任にきまして、井戸さんの方よりご説明お願いします。

 

 

 井戸(お世話役)

 

規約により、各市町村長と民間人若干名に幹事になっていただくことになっております。

5P下に記載の各市町村長様、「明治の産業革命遺産」からもすでに参加表明をされた皆様を含め、お願いしたく存じます。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 よろしいですか? よろしければ承認の拍手を。

 

(拍手)

 

 それでは議案2号、平成26年度活動報告、決算報告につきまして、井戸さんからご説明願います。

 

 

 井戸(お世話役)

 

(議案2)でございますが、資料の方は6Pから11Pでございます。

現在の会の活動を大きく4つに分けてご説明します。

 

第1は交流や意見・情報の交換です。

昨年度は総会に加え、第一回の「世界遺産サミット」を京都にて開催いたしました。本日お越しの松浦顧問や観光庁の久保長官、文化庁からは文化財部長様、また自然遺産を含めた21の市町村長が各地から参加され、世界遺産の保全・活用それぞれの分野で、各地域での進んだノウハウを交換していただきました。

また(5)でございますが、今帰仁の山内さんが管理人をやっておられるメーリングリストを活用した情報交換、また各地域での交流会なども継続しております。

 

7ページ8ページに行きまして、活動の第2は研究と提案です。

特に力を入れてきたのは、超党派の「世界遺産」議連との関係づくりです。これにつきましては本日先ほどまで、初めての意見交換会をさせていただいておりました。

国等の新しい動きとしては本年度より文化庁において「世界文化遺産活性化制度」が創設され、また総務省行政評価局におきましては「世界遺産」の保全・活用上の諸課題について全国調査がおこなわれており、近く勧告が出されるのではないかと思っております。

加えて、民間でも日本財団において「世界遺産基金」の検討がスタートしたと聞いていますが、「財布はできましたが、まだお金は入っていません」ということでございました(笑)。

 

8P、第3の活動は情報発信です。

富士山や富岡など、首都圏の遺産が指定されたこともあるのでしょうが、4年前に比べると世界遺産に関する情報は明らかに多くなっていると思います。また、ここ数年で日本を訪れる外国人観光客も飛躍的な伸びをみせているのは皆さんご承知の通りです。

会としても11言語のHPや、各地域が海外イベントなどを実施される時に、できるだけ会のパンフレットをご持参いただき、他の地域のPRもおこなおう、といった地道な活動をおこなっております。またメディア関係のメンバーの皆様にご協力いただき、複数地域で各社を訪問し、それぞれ情報発信にご協力いただくといった事業を展開してきました。

 

最後に第4は、広域・官民共同事業の推進、9Pです。

京都市の登録20周年事業として総会翌日からスタートした「アートアクアリウム城」。この実現を会としてお手伝いさせていただきました。

実施に際し、売り上げの10%を二条城の修復や祇園祭の鉾復元、そしてこの世界文化遺産地域連携会議の運営にもうち10%寄付いただく、そしてそのうちの10%、1%をこの会の運営にも充てさせていただくという約束でスタートいたしましたが、ご覧のように29万人もの、特に若い方々を集めることができました。

大体3臆千万くらいの売り上げがありまして、そのうち会にも370万余りを寄付いただきました。

太っ腹な門川会長に心から感謝申し上げます(笑)。

 

その他としましては、2年前のこの場で会長からご提案いただき、また皆様にご賛同いただきまして、昨年度から市町村長会の会費を頂戴するという形になっております。

 

続きまして議案3の平成26年度決算報告に参ります。

収入はその市町村会費59万に合わせまして、サミット負担金が198万、アートアクアリウム城実行委員会からの寄付が約367万円などとなっておりまして、合計が677万4332円となっております。

 

まず、収入の部(2)の総会・サミット負担金、(3)の交流会収入は全て支出の部(3)のイベント費、すなわち総会・サミット開催費で充当されておりまして、1万ほど足が出た分を収入(1)の市町村会費で賄わせていただきました。

次に収入(4)の東京交流会費と支出(4)の会議費はイコールです。

以外に収入の部での市町村会費に相当するものは「(2)広報費20万6476万円」、これはサミットの記録冊子です。「(3)旅費交通費127408円」「(6)通信費39802円」「(7)資料費3250円」と「(3)総会開催費の一部」です、以外は繰越金に充てております。

収入(5)の寄付金については入金されたのが年度末の3月末でございましたので、これを活用した事業展開は本年度に持越しになっておりまして、わずかに会発足以降の民間からの立替金を清算することに使わせていただきました。

以上より平成26年度支出は362万9319円となり、314万5013円が本年度に繰り越される形になっております。昨年度決算に関わる、数字のご説明、また議案2のご説明は以上です。

 

門川会長(京都市長)

 

 有難うございます。ご質問ございませんでしょうか?

 お世話役を担っていただいている井戸さんほかの皆さんのご尽力で非常に充実した活動ができた1年だったと思います。

ご質問がないようでしたら、監事から文書をいただいておりますので、この件、拍手をもってご承認願いたいと思います(寺田監事は急きょご欠席)。

 

(拍手)

 

引き続きまして議案3号、平成27年度の活動報告につき、井戸さんよりご説明願います。

 

 

 井戸(お世話役)

 

議案3、今後の活動方向についてご説明いたします。

本年度の3つの大きなテーマは「国等への提案活動」「地域・官民連携事業のさらなる活性化」「連携・交流の促進」だと考えております。

 

12Pの1にありますように、本日、初めて世界遺産を持つ各地と議連との、膝を突き合わせたお話ができました。

議員の皆様からの参加は21名でございました。

今日使いました要望冊子につきましてはお手元の方にお配りしておりますのでご参照下さい。

「世界遺産特別法」、要望書1Pにあるような世界遺産を活用したインバウンド推進、また地域別の要望でも例えば沖縄では首里城が一人勝ちをしているが、あれは国土交通省の歴史公園として管理されているので、そこで県内の世界遺産や沖縄の歴史を紹介するような施設、仕掛けが作れないのかといったことが要望書内で提案されています。

 

2つ目の「地域・官民連携事業のさらなる活性化」については、ちょっとアイデアが出がらし状態になっています。ここには継続事業を中心に「このくらいならやれる」というものだけを書きましたが、皆さんにあと1歩ずつ前に出てもらえば、もっともっと色んなことが実現できると思いますので、宜しくお願いいたします。

 

 13Pに行きまして、「連携・交流の促進」の面では、総会やMLの事業継続に加え、和歌山で開かれることになっている第二回「サミット」への協力をおこなっていきます。概要については後ほど和歌山県よりご説明いただくことになっております。サミットにつきましては、会は協力もしくは共催団体の1つということになりますが、誘致を考えたいというご希望があれば、できるだけ早めにご相談をいただければと思います。

 

 さらなる共同事業の実現のためにはやはり組織の充実も検討課題です。

とりあえず本年度より、お世話役の2名増員をお願いしまして、5名体制で事務局役を果たしていきたいと思います。白川郷・五箇山と富士山をご担当戴くSAPの有川さん、それから平泉と沖縄を担当戴く島川さん、また今日はご欠席ですが、群馬県立大の熊倉さんには日光と富岡の連携をお願いしたいと思います。また北大の花岡さんには元のホームグラウンドである広島・廿日市を担当戴き、井戸の方で近畿と石見銀山を担当させていただくことになっています。

 

以外にも各地の同種組織間で何か連携事業ができないのかとか、またサミットで自然遺産との交流が始まっていますが、文化遺産だけでなく自然遺産も含めた会にしていくべきじゃないかとか、あるいは法人格含めた組織体制の問題とか、いろいろ課題があると思っており、そうしたことの検討も始める1年にしていきたいと考えています

 

今後の活動方向につきましては、ここに示しましたのはあくまでタタキ台のようなものでございますので、ここからの時間で是非、皆様のご意見やアイデアを頂戴したいと思います。

 

14P、15Pは予算の説明です。

市町村会費が100万円、それに繰越金が314万円、支出2の下側と対応する交流会費が17・5万円と見込みまして収入計が432万35円。昨年度より減っていますのは、サミットが会を事務局とする形でおこなわれるかどうかがまだ決まっておりませんのと、アート・アクアリウムの寄付金もまだ未定ですので、これをアテにした予算を組む訳にもいかないということでございます。

 

支出の方は昨年度やらかなった要望活動を本日再開いたしました。会議費は総会に10万円の予算を組んでいます。イベント費はサミットの事務局を持たないとした場合の数字、10万円です。

広報費としてはメンバー地域が増えてくる一方で、本来は昨年度、一昨年度でやらなければいかなかった基本的な事業、例えばHPの改訂に150万円。パンフレットの改訂に50万円、あとはサミット冊子増刷その他で20万円の計220万円を計上しております。

旅費交通費はお世話役の増加に伴いまして、50万円を確保させていただきました。

以下通信費、資料費をあわせまして、支出予算の合計が332万円。100万円余りを次年度繰越金として残すという考えであります。

以上が議案3のご説明は以上です。

 

 

門川会長(京都市長)

 

 有難うございます。

個別のアイデア等はのちほど出していただくとして、今、ご説明有りましたようにこれはあくまで議案として中味はこれから膨らまして行くということでございます。

 ご承認いただけますでしょうか?

 

 (拍手)

 

それではここから意見・情報交換に移らせていただきたいと思います。

 大変お世話になっている松浦さんがパリ祭のご関係で17:00ご退席と伺っておりますので、まず冒頭、昨今の世界遺産をめぐる動きについてお話しいただきたいと存じます。

 

 

松浦顧問

 

 各地域で世界遺産に関わっておられる皆様に感謝いたします。

 また、「世界文化遺産」地域連携会議が年を経て、しっかりした活動をされるようになっていることにつき、門川会長、事務局の皆さん、そしてこの会場にお集まりの皆さんに敬意を表したいと思います。

毎年のように新しい登録があり、メンバーが増えていますので、来年からはもう少し広い部屋を確保していただかないといけないんじゃないかと思います()

 

 さて、先週、「明治日本の産業革命遺産」が新しく世界遺産に登録されました。

私は日本に戻ってきて5年になりますけれども、今回の登録に関してもいくつかのお手伝いをさせていただきました。その一つが内閣府に設置された「稼働遺産に関する産業遺産の有識者会議」です。

 

産業遺産の世界遺産登録第一号は、今日お見えの群馬の「富岡製糸場と絹産業遺産群」。これは日本の伝統的な絹産業とヨーロッパ、とりわけフランスの製糸技術が融合した例であった訳ですが、今回はその第二号としてその後の重工業にスポットが当てられました。

ご承知のように産業革命は18世紀後半にイギリスで始まり、それがヨーロッパから世界に伝播していった訳ですが、皆さんに銘記していただきたいのは、こうした流れにしっかり対応できたのは、ヨーロッパ以外では何と言っても日本だったという点です。

 

今回の登録では、江戸末期から明治にかけての8県23の構成資産が選ばれました。

これに際しましては、ご承知のように韓国から当初は7つの構成資産に関し国際的なキャンペーンが繰り広げられ、様々な話し合いを経て登録自体には反対しないが条件はつけるということになり、またイコモスから出ていた「稼働中の遺産の歴史をしっかり説明すること」という勧告も踏まえて外交交渉がおこなわれました。

 

残念ながら植民地時代からの両国の歴史には大変難しい面がある訳ですが、私はその後の両国間の交渉経緯を存じておりますので、今回のことには少し驚きました。

しかし、日本側も言うべきことを言い、最終的には23の構成資産全てが登録されることになりましたので、非常によかったと思っております。

 加えて申し上げれば、1994年にユネスコがグローバル戦略を立て、世界遺産をグローバルに広げることとあわせ、その「内容を多様化する」ことを掲げています。

今回の指定はそうしたことにも大きく貢献するものです。

この点についても大変嬉しく思っています。

 

 

 門川会長

 

 有難うございました。実は駐日韓国大使が小学5年まで京都の桂離宮の近くに住んでおられた方で、先日、同級生交歓がありました。非常に友好的なものでした。そうした方を駐日大使に選んでいるという点にもメッセージがあるのだろうと感じました。

 それでは、引き続き来賓の皆様からもお言葉を頂戴できればと思います

文化庁の高橋記念物課長、いかがでしょうか?

 

 

文化庁・高橋記念物課長

 

世界遺産に関わる様々な取り組みにおこなっていただき、本当に有難うございます。

過去に世界遺産登録された地域を支援していく仕組みを充実させたいということで、本年度から4億円ほどのソフト事業予算を組みました。

是非とも有効に活用していただきたいと思います。

以外にも各地域単位でも色々お手伝いできることがあると思います。

どうそ宜しくお願いいたします。

また、この場で申し上げることではないかも知れませんが、本年度から「日本遺産」の指定を始めています。「世界遺産」と「日本遺産」の相乗効果でインバウンドはじめ色んなことが進んでいけばと考えておりますので、宜しくお願いいたします。

 

 

門川会長

 

有難うございます。それでは出口・国交省景観・歴史文化環境整備室長お願いいたします。

 

 

国交省・出口 景観・歴史文化環境整備室長

 

 景観法という法律を所管しています。

 「明治の産業遺産」関係地でもツールの1つとしてご活用いただいており、一定のお役に立てているのかなと思っております。

我々の場合は世界遺産そのものを単品として捉えるというよりは、それをうまく保全しコアにしながら、周辺のまちづくり、景観づくりをどう進めるかという役割です。

こうした面にもさらに目を向けていただければと思っています。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

バッファーゾーンをどうするのかというのは、どの地域でも大変大きな課題です。

この会は文化財行政、まちづくりや景観行政、観光行政、そして各地域におけるNPOや地域リーダー、全国のマスコミ、学者の先生方などが一緒になって、それぞれに情報交換や相談・協力をしていこうという珍しい会ですので、どうそご指導宜しくお願いします。

では、ここからは各地からのご意見や情報をご披露願いたいと思います。

まずは先ほどの要望活動等の感想も含めまして、まず仲川副会長に口火を切っていただけたらと思います。

 

 

仲川副会長(奈良市長)

 

 副会長を仰せつかっております、奈良市長の仲川です。

本日は文化庁さん、観光庁さん、そして議連の先生方との意見交換を経てこの総会に至っております。

 その中で様々出ておりましたのは、そもそも国の文化財保護予算そのものの総枠がそれほど大きなものではない。先ほど高橋課長さんからも4億円の追加のお話がありましたが、やはり世界遺産を維持・活用していく上ではそれ相応の予算が必要ではないか、この点につきましては参加された市町村長さん共通の思いだったと思います。

 とはいえ、国の財政も豊かではない。先日の骨太の方針の中でも2020年までに健全化という中では、色々と切りこまれる可能性がある立場でもあろうかと思っております。

そんな中、少し余談のような話になりますが、我々としても知恵を出し合って財源を発掘、開拓して行かなければならないんじゃないかというようなお話が出ておりました。

 私も以前から何かいい方法はないかと考えておりましたが・・・「世界遺産宝くじ」という方法がないかと思っております。

調べてみますと今、年間でジャンボ宝くじが5本出ています。ですが、6月から12月までは6・8・10・12月とドリームジャンボ、サマージャンボ、オータムジャンボ、年末ジャンボと4本あるんですが、1月から5月についてはグリーンジャンボが1つあるだけなんですね。で、世界遺産ジャンボを間に入れますと、2・4・6・8・10・12と2か月に1回ジャンボ宝くじがあるという状態になる訳です。

また、日本が世界遺産条約を批准したのが6月30日だそうですので、例えばこの日を「世界遺産の日」と定め、宝くじの順番をちょっと変えていただいて6月に世界遺産ジャンボを発行し売上げの半分は世界遺産保全に回す。こんなことができたら文化庁さんもやりやすいかなと・・・是非前向きにご検討願けたらと思います。

 

 (どこかの市町村長?:「どこが主体となるんですかね?」)

 

仲川副会長(奈良市長)

 

世界遺産を持つ自治体がリンクを組んで発行元になったらいいんじゃないでしょうか?

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 賛成の方の拍手をお願いいたします。

 

 (大拍手)

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 では具体的なことはこれからということで・・・次は、北から青木・平泉町長いかがでしょうか?

 

 

青木 平泉町長

 

 皆さまご苦労様です。私からは観光庁関係のことを述べさせていただきます。

西の方に較べ、東北はまだなかなか元気になりません。

そんな中、同じ岩手・釜石の橋野鉄鉱山が今度、世界遺産登録されました。

これまでは外で挨拶する時には「東北・北海道で唯一の世界文化遺産・平泉です」と言うのがキャッチフレーズだったのですが、これからは釜石とも連携し、東北復興の鍵になって行きたいと思います。

東北地方はどこも、特にインバウンドの面では原発事故以降、大変苦労しています。

また平泉と言えば遠い所だと思われがちです。

しかし、新幹線を使えば一関から10分、あるいは東北・関東以外にも今年からは白川村さんも金沢から1時間ちょっとで行けるようになられました。

そうした意味でも各地域との連携を大事にしたいと考えています。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

有難うございました。次は富岡の岩井市長、登録から1年のご感想など含めてお願いします。

 

 

岩井 富岡市長

 

 富岡市の岩井です。この会には昨年から参加させていただいております。

 昨年の6月に世界遺産登録されまして、ちょうど1年。一昨年年間30万人だった観光客の方が昨年は一気に133万人、そして今年もそれとそう遜色のない形で推移しております。

 そうしたことの一方で、各地域とも共通すると思いますが、世界遺産を抱えるがゆえの悩み、本当にこの世界遺産をずっと支え続けることができるんだろうか? 本当に行政だけでできるんだろうか? ということも考えてきました。

 そうした中でこれまでは500円だった入場料を一気に1000円にアップすることにいたしました。反対意見ももちろんありましたが、富岡製糸場には100棟の建物があります。これを全て維持修理していくには膨大なお金がかかります。とりあえず国宝になった部分から5年間かけて修理を始めますが、国が半分、県が4分の1としても25億から30億はかかるでしょう。

そうした中で来ていただいた皆さんにも少しずつ負担をいただきたいということで、1000円ということになった訳であります。

 私たちは塀に囲まれていますので、そうした形で入場料を上げさせていただくことにし、また構成資産中では下仁田の風穴も今年から入場料を取ることになったのですが、以外の所では個人の邸宅である等の事情もあり、なかなかそういう訳にはいきません。大変なご苦労です。

お金の話になってしまい恐縮ですが、是非、世界遺産という価値観の中での支援拡大が必要だと思っています。

本日はどうも有難うございました。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

同じ富岡製糸場と絹産業遺産群の下仁田町長、金井さんいかがですか?

 

 

金井 下仁田町長

 

 この会に参加させていただいたことにまずお礼を申し上げます。また、昨秋のサミットにも是非出たかったのですが、諸般の事情で叶わず、お詫び申し上げます。

 半日の活動を通し文化庁さん、観光庁さん、また議連の皆さんと懇談でき、以外にも各地の皆様から色々なご意見をお伺いでき、大変有難うございました。

今後もますます充実した会になるように、また一致団結した会の活動を通して是非いい方向に持って行けるように、引き続き皆様のお力添えをお願いしたいと思います。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

有難うございました。登録から2年目の富士山からは高村・裾野市長さんにお越しいただいております。

 

 

高村 裾野市長

 

 静岡県の裾野市の高村です。

我々の資産は富士山であり、その周囲360度が対象です。

山梨・静岡の両県、また市村それぞれが取り組んでいかなければなりません。

 静岡県側でも連携し保全・活用に取り組んでいます。入山規制等の問題は県の役割。一方で地元の市町村として最も関心をもっているのは景観の問題です。

特に太陽光パネル、これが全く富士山の景観に似合わない。この点については富士宮市さんほかと連携し、届出だけで設置できるというのではなく、条例の網をかぶせていこうという方向です。

この点につき是非、富士宮市さんからもご発言いただきたいと思いますが、では条例ができれば十分かと言うと、決してそうではありません。

今日、議連との意見交換に出させていただきましたけれども、今後はさらにネットワークを強化することとあわせ、政治的にも規制をかけていただく方向に持っていければと思っています。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

富士宮市の芦澤副市長さん。この点につき補足等おありになれば・・・

 

 

芦澤 富士宮市副市長

 

 富士宮市です。

先ほど高村市長からご指摘があった通りです。

東北大震災以降、再生可能エネルギー買取価格が設定され、太陽光発電が奨励されるようになりました。届け出だけででき、最初に届け出すればそれが既得権になり、資産価値を産むようになります。これらのこと自体に異論を挟むつもりは全くないのですが、こうした形であちこちに太陽光パネルが設置されるようになれば、せっかくの富士山の素晴らしい景観が保てなくなります。

そこでまず当市としては基準をつくりました。しかしこれには何の法的根拠もありません。

シンポをしたり行政指導もしましたが、それにも限界が来ました。

そこで色々な試行錯誤の結果、条例化をしました。1000u以上については市に届け出て下さい、よくないと思われる場合には市長がご遠慮くださいということを申し上げます、という事に致しました。

ただ、太陽光パネル自体は何ら反社会的なものではありませんので、どうしても違反者に対する罰則を作れません。ご協力いただけない方の氏名が公示されるのみです。

現状を申し上げれば、協力いただける方がほとんどです。が、特に財産・資産価値がある土地で、反社会的なことをやっている訳ではないのに、なぜ条例で取り締まることができるのか、ということで揉めている案件も1−2件あり、最終的には財産権の問題と景観の問題のどこで折り合いをつけるかという話になっています。

ことほど左様に、市としてやれることは全てやっているのですが・・・法律の範囲内でしか条例はできません。最終的には世界遺産であることに鑑み、景観的に制限できるような法的根拠を与えて行かないと、やはり限界があります。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 自治体としてやれることは全てやる。しかしそれでできないことについては国の責任において法整備も含め対応してもらう。素晴らしいお取組み事例だと思います。有難うございました。富士山からもうお一方、富士河口湖副町長の古谷さん、今のお話と関連しなくても結構です。山梨側からのお話についてもお聞かせ下さい。

 

 

古谷 富士河口湖副町長 

 

 山梨県の富士河口湖町の古谷です。

全く今、富士宮市の副市長さんがお話になった通り、私どもの町でも太陽光発電の問題が大きな課題になっています。その中でまだ一部議会の承認が取れていない所もありますが、1市3町3村で協力していく中で、当町におきましては6月議会で条例化することができました。

現実にはもう太陽光発電が設置されている所もある訳ですが、そうした所以外にはこの条例に沿って届け出をしてもらい制限をかけていきます。県とも連携を取ながら、世界遺産の場所であることを全面に出してお願いしていくつもりです。

 お話にあった通り、法的根拠が薄いことは町村が取り組むには限界が来ています。

是非こうした点への取り組みをお願いしたいと思います。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 大変切実な声だと思います。是非、国会への要望を続けたいと思います。

西に参りまして、竹腰・大田市長いかがですか?

 

 

竹腰 大田市長

 

 石見銀山がある島根県大田市(おおだ)市の竹腰です。

世界遺産に登録されて8年目ですが、この間、世界遺産センターの整備や観光客の受け入れ態勢整備を進めてきました。

観光スタイルも歩く観光スタイル、サイクリングによる観光スタイルが定着して来ています。谷あいにある集落ですから、どっと観光客の車が来ると対応できなくなりますから、パーク&ライドによる観光スタイル、これも定着してきています。

観光客数は登録前が20万人、その後登録直後が80−90万人になりましたが、今は50万人くらいで安定しています。人数もさることながら、一人当たりの滞在時間が非常に長くなってきております。やはり評価は入込数だけではなく「人数かける滞在時間」でおこないべきと思います。

登録から8年が過ぎ、10年に向けてそろそろ「第2ステージ」だということで、先般実行委員会を立ち上げました。

 今日参加させていただき、各地の皆さんと情報交換させていただきまして、やはり地域独自の問題と各地に共通する問題、この両方があるということを痛感します。共通課題には特にバッファーゾーンの問題、中でも景観などに関する私権制限の問題、以外にも財源の問題、人の問題など様々ありますが、やはり「世界遺産特別法」を作ってこれに対応していくことが会としての最重要課題だと思います。各地域がさらに連携していくことが必要です。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

有難うございました。

次は、今年登録20周年を迎えられた板谷・白川村副村長さん。いかがでしょうか?

 

 

板谷 白川村副村長(今年20周年)

 

 白川村です。

 この20年間を振り返れば、環境保護という面では観光車両による渋滞の解消が大きな課題でした。平成13年に国土交通省の社会実験をおこない、15年には集落への乗り入れ規制が実現しました。

また、景観面では同時期に全体の電線地中化が実現しました。

今の最大の課題はインバウンド対応です。すでに村を訪れる観光客の13%、20万人は外国人の方で、9割がアジアからの方々です。

今年は登録20周年という事で、色んな記念事業をしていますが、こうした海外からの方々をどう暖かくおもてなししていくかが、新しい次の10年の課題ではないかと思っています。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 それでは他地域からの皆様も、この機会に何かご発言ございましたら・・・どうそ。

 

 

 長南 日光市観光部長

 

 日光市です。

今日は市長が参加できなくて申し訳ありません。市長の意向として申し上げます。

「サミット」のことです。今年は和歌山でされるということですが、昨秋の京都での総会で、「サミット」を誘致したい地域はこの総会で意思表明すればそれを優先して観光庁と調整するということになったと思います。

 それで、ちょっと先なんですが・・・4年後、平成31年が日光の登録20周年の時に是非開かせていただきたいと思っていますので、観光庁さんとの調整等はあるかとは思いますが、現時点で意思表明させていただきます。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 有難うございます。そういう形で「サミットをわが街で」という所がありましたら、どんどん仰っていただければいいと思います。ほかございませんか?

 

 

 竹腰 大田市長

 

 私どもも2年後が10周年ですので、是非平成29年開催に手を上げたいと思います。

 

 (拍手)

 

 門川会長(京都市長)

 

 早いもの勝ち、先着優先で決めて行ったらどうでしょう(笑)。

 ほかありませんか?

 

 

 仲川副会長(奈良市長)

 

 この「世界文化遺産」地域連携会議、単なる情報交換の会というだけではなく、新しい政策や概念をみんなで実現していける場になればいいと思っております。

 で、先ほどの続きなんですが・・・ちょっと私、前から気になってまして。

祝日の話なんですが、5月のGWが終わってから(7月の)海の日まで祝日がないんですね。今年でいうと74日間祝日がない。で、お盆休みを祝日としますと、後は12月から3月までは月に1回は国民の祝日があるんですね。ここで6月に祝日があるとGWが終わってからの絶望感が少しはなくなるかなと(笑)。

外国人観光客の話も出ていますが、為替が円高に進んだ場合のリスクもありますから、国内観光をきちんと開拓しておかないと。だからこそ、国の方でも休暇の分散化ということを考えておられるのだと思います。

そういった意味でも世界遺産条約批准の6月30日前後を世界遺産の日にして、土日にくっつけて休暇の分散化を図り、全国の世界遺産地域にどんどん来ていただくようになればいいと思っています。

 

 (拍手)

 

 門川会長(京都市長)

 

 全く同感です。

ほかありませんか?・・・それでは私の方から指名させていただきます。

廿日市(はつかいち)市の隅田環境産業部長さん。

 

 

隅田 廿日市市環境産業部長

 

宮島への来島者は年間400万人前後です。

外国人観光客は13万人前後ですが、昨年観光振興計画を立てまして、10年後には30万人にしようという目標を立てています。

 来年は広島市さんとともに世界遺産登録20周年ということで、何かキャンペーンをやって行こうと考えています。

 世界遺産の保全活用については、各地のお取組みも参考にしながら、連携して考えて行きたいと思っています。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 来年「サミット」やる所、まだ決まってませんね。

どうです?・・・是非、広島市さんと相談していただいたら(笑)。

 それでは次、姫路市さんいかがですか? お城がきれいになりましたね。

 

 

 釣 姫路市観光交流局長

 

 姫路市です。お世話になっています。

 姫路城は5年間の大修理期間が文化庁さんのお力添えも得て終了いたしました。

3月26日が竣工式でした。

それ以来順調に登城者は増えておりまして、以前は年間100万人程度だったのですが、先日、3か月間ですでに100万人をクリアしたところでございます。

 2020年には姫路城を活用しながら、地域連携の中でスポーツの祭典にも取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくご指導のほどお願いいたします。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 来年、伊勢志摩で「正規のサミット」(先進国首脳会議)が開かれる、東紀州の小林さん。いらっしゃいますか?

 

 

小林 東紀州地域振興公社事務局長

 

東紀州地域振興公社の小林です。

少しご紹介させていただきますと、三重県内の熊野古道・伊勢路がある2市3町と県で構成している組織です。

昨年、紀伊山地の霊場と参詣道が10周年ということで、過去最高の入込客を記録しました。

私どもの特徴的な課題としては、熊野古道というのは道でございまして、守っていただくのは基本的に地域の方ということになります。景観を守るにしても地域の方々と一緒に考えていかなければいけませんし、道ですので料金を取る訳にもいきません。

一方では、残念ながら高齢化が進んでおりまして、だんだん守り手が少なくなってきている。これが最大の課題です。

明るい話題としては、ご紹介いただいたように来年には伊勢志摩で先進国首脳会議が予定されております。また、会の「サミット」については後ほど和歌山県さんからご紹介があるのではないかと思いますが、伊勢神宮のある伊勢市から熊野三山を目指した道が熊野古道・伊勢路ですので、皆さん宜しければ是非お立ち寄り下さい。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 それでは今、話題になりました和歌山県さん、秋の「サミット」につき少しご説明願えますか?

 

 

 阪口 和歌山県観光振興課長補佐

 

 和歌山県観光振興課の阪口と申します。

総会の議案にもありましたが、11月12日・13日の日程で「サミット」を開かせていただきたいと思っております。昨年の京都市さんの分とは少し異なりますが、議論するような場を設けさせていただきたいということで、エクスカーションを1日目の12日に持ってきたいと考えております。で、シンポジウム形式の「サミット」を2日目の13日に持ってきたいと思っているのですが、その場ではこの「サミット」を長く続けていけるためのルールづくりについても議論したいと思っております。

 今、観光庁さんとも色々と詰めておりますので、まとまり次第皆様にご案内させていただきます。

和歌山、遠い所ですが、是非この機会にお越し下さい。お待ちしております。

 

 (拍手)

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 私からもできるだけ多くの方のご参加をお願いいたします。

 それでは伊勢崎市の徳江教育長さん、いかがでしょうか?

 

 

徳江 伊勢崎市教育長

 

 伊勢崎市教育長の徳江と申します。

 今日初めて参加させていただきましたが、大変いい話し合いを有難うございました。

 先ほど富岡市長さんからもご紹介いただきましたが、私たちの世界遺産は田島弥平旧宅です。

富岡製糸場は別格として「絹産業遺産群」について申し上げれば、伊勢崎市だけでも、実は田島弥平旧宅以外にもそうしたものがたくさんあり、それらが連携して絹産業が成立していた訳です。

今やらなければなくなってしまうことが4−5年で起こりうるかも知れないという危機感を持ちながら、それらをどう選び、ネットワークを構成し、世界遺産とセットで提示していくか。これが私どもの課題です。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 時間はすでに過ぎておりますが、全ての参加地域からお話を伺いたいと思います。

 藤岡市さん、いかがですか?

 

 

藤岡市  志村教育部長

 

 藤岡市の志村です。高山社跡ということで世界遺産になっているんですが、実はこの高山社というのは教育機関として世界遺産になっているのですが、なかなか説明するのが難しいのです。建物自体は普通の農家ですから。どこが最も素晴らしいのかと言えば、どこへ行っても同じ材質だという点なんですね。

そうした中で、小学校・中学校で高山社学というのをやっています。まずは地元の子どもたちから。なかなか難しいのですが、そうした所から啓蒙を始めています。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 新しくお世話役をお願いすることになりました、SAPの有川さん。

 自己紹介を兼ね、民間代表で一言お願いします。

 

 

 有川 SAP代表

 

 SAPの有川と申します。

世界遺産劇場を主宰しています。

 古い遺産を舞台に一流の芸術・芸能や新しいイベントをやり、アーチストの存在を通して若い人たち、また世界の人たちに日本のよさを伝えたい、またリピーターになってもらいたいと思っています。

 どうぞ宜しくお願いします。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 各地域からのご発言の最後は戦後70年の広島市さんにお願したいと思います。

 

 

 稲田 広島市東京事務所次長

 

 広島市です。

 要望書にもありましたように、原爆ドームの最大の課題は耐震性の確保です。

 平成19年から耐震対策の検討を始めました。

現在は史跡・原爆ドーム保存技術小委員会において地震対策の工法の研究をおこなっており、年度中には補強をする予定です。

今日の議論の中で景観の問題が度々指摘されていましたが、広島の場合も原爆ドーム周辺に高さ制限があります。営業権の制限になるということで高層建築の建設を防げなかった時期もあったのですが、今では条例化しておりますので、ご参考になるかもしれません。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 民間の方からどなたかご発言ございませんか?

 ・・・ないようでしたら、国連平和芸術家の城之内さん、最後にお一言お願いします。

 

 

 城之内ミサ(国連平和芸術家)

 

 今日は貴重なご意見を聞かせていただき、有難うございました。

ユネスコに応援していただきながら、世界各地の世界遺産で平和コンサートを開いています。

昨年の京都での世界遺産サミットでも、子どもたちとともにミニコンサートをやらせていただきましたけれども、様々な地域で伺うのは「世界遺産をどうたって保護していったらいのか」「どんなことから始めたらいいのか」ということです。

 そんな時には「大切なものを愛おしむ、尊敬するものに威厳を抱く」という、ちょっとした感覚を持つことがスタートではないか、そんな話をさせていただいています。

 これからも自分にできることで、世界遺産に関わって行きたいと思います。

今日は貴重な時間を有難うございました。

 

 

 門川会長(京都市長)

 

 うまくまとめていただきました(笑)。

 

今日は各地から色々な現状、またご苦労のご紹介がありましたが、京都市でもこの間、

様々な取り組みをしています。景観についても大変な努力をし、7年かけて全ての看板2万5千件を撤去していただきました。しかしこうした「屋外広告物規制」に対し、窓を大きく取ってその内側に看板を設置し「これは屋内広告物だ」と主張する人がいる。こうしたことが起こっています。新たな法規制も含め、そうした現実を1つずつ乗り越えていかなくてはいけないのだと思います。

 

さて今、地方創生元年であります。今、地方は本当に疲弊しています。京都ですらそ

うです。人口減少、伝統産業の衰退・・・こうした伝統産業を守らなければ、例えば全国のあらゆる祭ができなくなります。

 

日本人が大事にしてきた伝統文化、それを支える伝統産業には全国に及ぶネットワークがあります。「和食」が世界遺産になりましたが、一流の「和食」は北海道の昆布がなければ成り立ちません。下賀茂の式年遷宮で畳を替える。まさかそれを中国製にはできない。大分の井草と決まっている訳です。着物にしてもそう。萱にしてもそうです。

 

日本人が守っててきたこと、これを大事にしよう。

より大きくはこれが会としての共通の課題だと思います。

少し前のネットワークを大事にしながら、それが危機的な状況にあるなら、これをみんなでネットワークを組んで守る。それでこそ全国津々浦々が元気になる。

そうしたことに迫っていくことが、世界遺産を守っていくことにも繋がるのではないか。今日はそんなことを思いました。

本日は長時間に渡り、どうも有難うございました。

 

 (拍手)

 

 

 島川(お世話役)

 それではこれで「世界文化遺産」地域連携会議 平成27年度総会を終了したいと思います。皆さんお疲れ様でした。引き続き交流会を開催いたします。資料裏表紙に地図を載せておりますのでご参照下さい。本日は誠に有難うございました。






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